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体感して学ぶこと
 

この夏、建築界で話題の「富弘美術館」に行ってきた。
この美術品の作者である星野富弘氏が描く挿絵と詩が私は好きで、この作品は私に癒しと勇気を与えてくれる。この美術館は入館者が多く、そのため館内は見学者で混雑し手狭になってきたため、国際公募型設計コンペを経て新らしく生まれ変わった美術館である。私はこの国際コンペの公開審査の見学が縁でずっと施設の完成を心待ちにしていたひとりである。
(ただし私は違う建築家の案が採用されることを望んだ記憶がある)
外観はこの地域に少し不釣合いであまりにも都会的な印象を受けたが、建物全体が低く抑えてあり好印象であった。ただ残念なのが、この施設のコンセプトである室内空間の円形の表情が外部から察することができないのが私としては少し不満が残る。
そして内部へ。エントランスから見るとどこが展示室の入り口か良くわからず、係員が来館者に案内をしていた。円形の部屋が続くこの内部はとにかく迷う。そして目が廻り集中して作品を見ることが出来なくなってくる。
人は自分の位置を目から入る特定の形や色情報を基準に今の場所を判断する。それが同心円の平面で、かつ白い壁の空間に放り込まれると自分の位置や方向がわからなくなる。このような施設が美術館としてふさわしいのか私にはわからない。しかしこの美術館で走り回る子供達を見ていると、少し遊び心が強かったのではないか。そう思う美術館だった。この案が公開審査で採用された瞬間うつむき加減な町長の横顔を今も覚えている。



 
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