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バランスを考える
 

ある鉱山だった場所の写真です。
標高2000m近くあるこの場所からリフトを利用して麓の町まで硫黄を運んでいたようです。何十年と使われず、人々から忘れ去られ、そして風雨にさらされ少しづつ朽ちていく、そんなシーンを捉えた写真です。

このような廃墟は本が出るほど世間ではメジャーな存在なのかもしれませんが、私はあまり廃墟を探したり、興味本位で行ったりはしません。
そこには一種独特の虚しさがあり、人を寄せ付けないオーラが存在するような感じがするから・・・。
人間が創った物のほとんどは、数年から数百年で消え去ります。しかし自然が創ったものには永遠性、持続性、継続性があります。それは自然界のバランス(法則)がうまく保たれているからでしょう。
このリフトのように消え去る建造物は人間界のバランスが崩れた正にその証なのかもしれません。そのバランスの崩れた工作物も、自然界のバランスに吸収されようとしているかのようです。人間界の法則と自然界の法則の力比べのような感じさえします。

設計という仕事は、このバランスが非常に重要なのだろうと、そして人間界のバランスと自然界のバランスを無視できない仕事なのだろうと。
そんなことを感じた瞬間でした。

 
   
 
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